2016年度の宙組全国ツアー公演が「バレンシアの熱い花」だった件
絶望しました……(頭抱)。
何せ「紫子」の風吹で男役の格好良さを知った人間ですので、柴田先生のことは敬愛してやまないんですが、「バレンシア」はほんと、どこにも救いがない真の駄作だと思うんですよ。私が見たのはタニちゃんお披露目時の再演だったんですけど、タニちゃんが気の毒でした。誰がやったって駄目だよ、あれは……。ストーリーが全く引き込んでくれない上に、ダサいんだもん。黒い蝶々仮面に黒いマントで「黒い天使とでも呼んでもらおうか!」とか言っちゃうんだもん。だせえぇぇぇ。何が悲しくて、限られたまにゃと・真風の共演をあんな駄作で浪費しなきゃならないの……私が何をしたっていうの。
じゃあ何が見たかったかって?
叶うことなら、「ハードボイルド・エッグ」ですね。濃厚なラブシーンもなければメインキャラが死ぬこともないのに、大劇場のスケールに負けないドラマがあって、人と人の関わりが温かかったり痛かったり、全盛期の正塚先生作品の中でも群を抜いて愛しい。
まにゃとの声でアレックスの「色々あるよなぁ、生きてりゃ」が聞きたいの。聞けたら、たくさん抱えながらでもまだ歩けそうな気がするの。妻子を殺されて復讐鬼と化しながらも、周りの人にちゃんと優しいジョージを真風で見たいの。「今日はどこまで遊びに行こうか」で遠い目をする真風を想像するだけで泣けるの。包容力の塊みたいなカフェ店主、シドニーは愛ちゃんで見たいの。「俺はお前と違って忙しいんだよ」とか言いながらもちゃんとアレックスのヤケ酒に付き合ってあげる愛ちゃんが見たいの。
地味ですかね?昨年度の全ツも正塚のコメディ(「メランコリック・ジゴロ」)だったのに、続き過ぎですかね?
じゃあ、「はばたけ黄金の翼よ」。ターコさんのサヨナラ作品。筋書きは正直申し上げてかなり雑ですが、それを補って余りある華やかさとサービスシーンが満載ですよ。
敵国の君主を殺して強引にその娘を娶り、「(父親を殺された)その憎しみを俺が忘れさせてやる!」と花嫁を押し倒す、超俺様な主人公ヴィットリオにまにゃと。ヴィットリオの幼馴染であり腹心のファルコに真風。何が見たいって、敵国の娘に現を抜かすヴィットリオに絶望したファルコが、可愛さ余って憎さ100倍でヴィットリオを地下牢に閉じ込め、鞭でしばきまくるシーンですよ(これだから腐女子は)。
破たんしたあらすじを見せるなら、このぐらいのサービスシーンは欲しいところ。
とまぁ、こういった妄想で何とか「バレンシア」の絶望を乗り切りたいと思います(折れない心)。